雑誌の情報や、ハウスメーカーのホームページなどではプラン作成の前に「ヒアリング」なんて予定が書かれています。
ヒアリングの時に色々話せばハウスメーカーがこちらの希望をくみ取ってくれて、いい家ができるってことだよね?
全然違うよ?
「ヒアリング」で、家づくりに必要なことを聞かれて、それに答えていけばいい家ができると思っていたら大間違いです!
打ち合わせの時間は限られていて、親切に丁寧に何もわかっていない施主に優しく説明しながら希望を何回も聞いてくれるメーカーは経験上ほぼないです。
何も用意せず打ち合わせに向かえば、当たり障りのないプランが組まれて、ありきたりコース一直線です。
せっかくの注文住宅。
自分に合った特別な家を建てるために「要望書」を書いてしっかり準備していきましょう。
今回はそんな「要望書」の書くべき内容についてまとめました。
要望書とは
要望書は家に求めることや、今まだ固めてきた「住みやすい家」のイメージ、どんな家に住みたいのかなどをまとめたものです。
この要望書は自分や家族のために書くものではなく、ハウスメーカーに自分たちの希望を伝えるためのものです。
限られた打ち合わせの時間の中で少しでも多く自分たちのことを理解して、良い家を建ててもらうために打ち合わせでは伝えきれないことを文字にして伝えましょう。
まだどんな家を建てたいのかのイメージが固まっていない方はこちらの記事からどうぞ。
要望書に書くべきこと
要望書には具体的な要望だけではなく、設計士さんが自分たちの暮らしを想像しやすいような情報を付け加えます。
そうすることで、自分では解決できなかった問題をプロの設計士さんが解決してくれることもあります。
無駄な情報だと切り捨てず、様々な情報を書き込みましょう。
また、要望は優先度の高さがわかるように書くとより伝わりやすくなります。
最低でも、
- 絶対かなえたい(優先度高)
- 出来ればかなえたい(優先度中)
- まだ迷っている・希望はあるが具体案がまとまらないので提案してほしい(優先度小・要提案)
の三つには分けた方がいいと思います。
家族構成と紹介
まずは新居に住む予定の人についてです。
年齢、職業、趣味などを書きます。
特定のアレルギー等家に関わりそうな健康上の問題がある場合や、「掃除が苦手」や「寒がり」など特別伝えたいことがあれば書いておきましょう。
趣味は一見不要ですが、設計士さんによっては趣味を意識した設計をしてくれることがあります。
また、担当営業さんとの会話の糸口になり、営業さんと距離を縮めるきっかけになることもあります。
営業さんと仲良くなると色々気にかけてもらえたり、何気ない会話から提案をしてくれたりすることもあるので書いておくといいと思います。
家族の情報は個人情報にもなるので渡すことに抵抗があれば、別紙にして必要に応じて(プラン作成まで進んだときなど)分けて渡してもいいかもしれません。
家族の1日の動き
家族の一日の動きについても書きます。
- 何時ころ外出して、何時に帰宅するのか
- 帰宅後はどのように過ごすのか(過ごしたいか)
- 休日は何をして過ごすのか(過ごしたいか)
などを主に記載します。
イメージ固めの際に考えた細かい動きも可能であれば記載します。
こちらも個人情報になりますので必要に応じて対応してください。
家全体の要望
次に家全体に関わる要望を書きます。
例えば、
- 寒い家が嫌なので高気密高断熱にしたい
- メンテナンスが少なくて済むようにしたい
- 和風のデザインがいい
などです。
この全体の要望を軸として次に各部屋(スペース)ごとの細かい要望を書きます。
各部屋(スペース)ごとの要望
どのような部屋(設備)が欲しいかと、部屋がごとの要望です。
希望をただ羅列してしまうと、読むほうもわかりにくくなってしまうので、部屋ごとに分けてまとめて書くのがいいと思います。
理想に近いプランを作成してもらうために重要な項目になります。
書いていて一番長くなる項目だと思います。
搬入予定の家具家電
冷蔵庫や洗濯機などの大型の家電や家具で、今使っているものをそのまま使うなど、搬入することがわかっているものがあれば、一覧とそれぞれのサイズを書きます。
ピアノなど特に大型のものは搬入や建物にかかる荷重などで特に注意が必要なので必ず伝えるようにします。
家具はプランが決定してから探してもいいのですが、プランに合わせたサイズに限られてしまい、選択の幅が狭まります。
正確な商品やサイズが決まってなくても「180㎝以上のテレビボード」や「6人掛けのテーブル」などある程度のサイズがわかる希望を書いておけば、搬入してから「思ったよりも狭い」といったことにならなくて済むかもしれません。
収納したいもの(任意)
掃除嫌いの片付けられないズボラ女(うり)の独自の研究によると、家が片付かない理由は「片づけたい場所に片づけられるだけの収納がない」ことが一つの理由だと考えられます。
「どの場所に何をどれくらい収納したいのか」ということを伝えることで、納戸や倉庫といったまとまった収納ではなく、各部屋に欲しい収納の数や大きさを伝えます。
使う場所の近くに片づける場所があれば片づける苦労も半減します。
一度今家にあるものや、新居で使いたいと思っているものを一覧にしてみて、どこに片づけたいのか仕訳けてみるといいかもしれません。
我が家は私がとにかく「散らかりにくい家」というのをコンセプトにしたため、この項目を加えましたが、片づけが得意な方や家が散らかりにくい方は不要であれば割愛してもらっても大丈夫かとは思います。
我が家が作った「収納計画表」についてはコチラで読めます。
参考画像や間取り
要望書の希望を書いた余白にわかりやすい事例の画像があれば貼り付けます。
スクラップブックを作っている場合は要望書を渡す際に持参して見せます。
言葉でわかりにくい間取りの説明も似ている間取りや、自作の間取りがあれば添付して説明するのもいいかもしれません。
ただ、間取りの持参は結構賛否があります。
希望が目で見てわかりやすくなる一方で、設計士さんがその間取りを再現しようとするあまりに新たな提案のないプランになってしまったり、気分を害する設計士さんもいるということがあるようです。
必要に応じてよく考えてから渡しましょう。
ちなみに我が家は自作間取りは提出しました。
後悔はしていません。
要望書を書くときの注意点
遠慮無用で細かく書く
要望書は、ハウスメーカーに提出するとなると、
こんなこと書いても大丈夫?書かなくていいんじゃない?
と不安になることがあります。
しかし、要望書に関しては遠慮無用。
どんなに細かくてもとにかく書くようにしましょう。
その情報が必要なものかどうかはハウスメーカーの方で判断してくれます。
うり
無理なら無理って言われるし、なんなら無視されることもある笑
打ち合わせの際に言葉で伝えることも出来ますが、打ち合わせの時間は限られていますし、担当営業さんも人ですので忘れたりすることもあります。
しっかり細かく文字にして渡しておきましょう。
設計士さんの提案を利用する
もし迷っていることや、自分ではわからなくてプロに解決してもらいたいことがある場合は施主側からしっかり伝えましょう。
具体的なことはわからないけど、漠然とした希望があるときは無理に「こうしよう」と決めずに設計士さんに相談してみましょう。
自分が決めたことよりもいい案を設計士さんが提案してくれることもあります。
ハウスメーカー側の提案を聞いて、それが納得できないものであれば、「だったらこっちの方がいい」と具体的な事例を出しても間に合います。
設計士さんはメーカー側の施工事例や得意・不得意なことを考慮して提案していることもあります。
希望と違う提案でも頭がごなしに否定するのではなく、しっかり話を聞きましょう。
あくまで要望、絶対ではない
要望書を書いていると、
絶対にすべての要望が通った家にするぞ
という気持ちになってきますが、必ずすべての要望が通るわけではありません。
こうだと決めていた要望に関しても設計士さんの話を聞いて変わることもあります。
自分の調べたことより、設計士さんの提案のほうがいい案であることもあります。
当初の要望と変わること、構造上の都合であきらめなくてはいけないことなどいくらでもあることです。
軸がぶれていなければ大丈夫ですので、細かいところに固執しすぎないように気をつけましょう。
ただ、優先度の高い項目を多くあきらめなくてはいけない場合はそのハウスメーカーは自分には合っていないということでお別れしましょう。
まとめ
今回は「要望書」に書くべき内容についてまとめました。
家のお金を出すのは施主ですが、その家を設計するのは設計士さんであり、建てるのは大工さんです。
内装にはインテリアコーディネーターさんが入るかもしれませんし、窓口になってくれるのは営業さんです。
家づくりは自分だけでできることではなく、たくさんの人の手が入ります。
自分の希望をしっかりとそれらの人に伝えられなければ、完成した家は自分の希望のものとはかけ離れてしまいます。
「要望書」を使ってしっかりと希望を伝えることが希望の家を建てるためにも重要になります。
面倒な作業ではありますが頑張って書きましょう。